小さな空

「世界のタケミツ」と言われるように、武満徹は日本の作曲家の中でも特に世界に名の知れた作曲家です。1930年に東京に生まれた武満は、なんと独学で作曲を学んだそうです。
映画音楽、舞台音楽やポップソング、管弦楽や歌曲など活躍の場は多岐にわたり、まさに世界中の音楽家やファンを魅了しました。
「小さな空」は、昭和37年、連続ラジオドラマ『ガン・キング』の主題歌として書かれた曲ですが、その後、東京混声合唱団の委嘱で無伴奏合唱曲(混声8部!)として1981年編曲、初演されました。
今回は、さらにそれをピアノ伴奏版として編曲された作品です。

武満徹/songs第3版 [ 武満徹 ]
ちょっと値の張る楽譜ですね…。しかもハードカバーなので実用には向きませんが、とても美しい装丁で、素敵な挿絵もあって、個人的にはとてもお気に入りです。
演奏のポイント
伴奏
・1拍目でも、言葉が語尾のところは出しすぎない
・左手の動きが細かいのでペダル注意(具体的なペダルの指示は無いので、音をよく聴きながら踏みかえる)
歌唱
・1番、2番、3番と情景がかわっていくので、歌詞にあった音色で歌う
・全てユニゾンなので、複数で歌う場合は声の色合いがバラバラにならないように
ただ、この曲はどうしても情緒的にたっぷり歌ってしまいがちです。もしできれば、合唱版の楽譜も参考にしながら、抑揚の付け方、ディナーミクの変化などをチェックしてみてください。実は、かなり理性的に歌う事が求められている部分もあるのです。ぐっと前に進みたいところ、フワッとスピードが緩むところ。どの場面を、どのような色で仕上げていくかは、歌い手の想像力に大きく委ねられているところがあるのかもしれません。

楽譜 SJ1070 武満徹 うた1 / ショット・ミュージック
武満徹の「うた」は、全12曲。Ⅰ、Ⅱの2巻あって、「小さな空」はⅠに収録されています。

楽譜 SJ1081 武満徹 混声合唱のための うた2 / ショット・ミュージック
声部が8声にも分かれることもありますが、とても取り組み甲斐のある作品ばかりですが、合唱をやっているなら、一度は必ず歌っておきたい曲集だと思います。「小さな空」は、その代表格ですね。
おまけ
なかなか、楽しかったですね。