合唱

【Let’s search for Tomorrow】

Takamasa

長年歌い継がれている名曲というのは、やはりいつ聞いても、いつ歌っても良いものですね。

【Let’s search for Tomorrow】は、なんと1989年に発表。40年以上歌い継がれている名曲。私も、中学生の時に歌いました。

今回、改めて楽譜を見返してみて、いやはや、歌いごたえのある曲だと改めて驚きとともに様々な発見がありました。

まず、冒頭の表現記号「maesotso」(マエストーソ)。
どういう意味かというと、「荘厳に」とか「威厳に満ちて」といった感じです。この表現記号がある有名な曲と言えば、ショパンの「英雄ボロネーズ」でしょうか。(曲の理解を深める第一歩として、こういう、同じ表現記号が使われている曲を探してみるというのも、楽しい作業のひとつですね。)

さて、ともあれそんな「maestoso」から始まる前奏で、聞いているひとはもちろん、これから歌う合唱団の歌い手たちに、どんな想像力を膨らませられるか?ピアニストの、腕が鳴りますね!

で、この曲の特徴として、こうした表現記号などがかなり細かく指定してくださっているというところがあります。けっこう、器楽的な印象が持たれる楽譜だと感じました。

ちなみに、この曲の作曲家である大澤徹訓(あきのり)先生は、どんぐり音楽教室のお隣(?)、愛知県名古屋市のご出身だそうです。ご経歴を拝見すると、やはり器楽(吹奏楽や管弦楽が多い)ようですね。
そしてなんと!あの「のだめカンタービレ」の音楽監修をなさったというではありませんか!
また、作詞の「堀徹」さんというのは、作曲者である大澤先生のペンネームなのだそうです。

つまり、合唱曲でありながら、声もひとつの楽器として、イメージされているのかもしれません。なので、歌い手としても、「声」で言葉をどう語り伝えるかという事に加えて、「声」でどう音(音色)をつくっていくかということも、是非イメージしてみましょう。

たとえば、「このパートのこの部分は、トランペットのように」とか、楽器で言うなら何なんだろう?と考えてみたり、あるいはピアノ以外で伴奏を演奏するとしたら、このフレーズは弦楽器?管楽器??など、妄想をしてみると、もう、想像力が止まりませんね♡

<合唱のポイント>

①ことば

フレーズの歌いだしを見てみると「2拍目」から始まる事が多いことに気が付くと思います。そして、必然的に、小節のあたまに語尾が当たる事が多くなっています。

で、こういう時に無造作に歌うと、語尾が押されすぎてしまってちょっと雑に聞こえてきてしまいます。

「あしたを さがそう」

という言葉で始まる冒頭の部分を例にとってみると、

・「あした」は、2拍目(弱拍)から

・「さがそう」は、4拍目の裏から

始まっています。日本語の語幹、ことばの大事なニュアンスは「語頭」につまっていますので、この語頭部分が弱拍に来る場合には、パワーではなくて「大切に歌う繊細さ」が求められているのです。(※ただ「4拍目の裏」というのは、「1拍目の予備拍」(アウフタクト)という位置付けですので、「さがそう」ということばのニュアンスは、小節をまたいで次の小節につないでいくイメージがあるとよいでしょう。)

捉え方としては、1拍目や3拍目の強いエネルギーを感じつつも、言葉としては、大事に、丁寧に歌うように心がけてもらえると◎です!

➁フレーズ

みなさん、合唱の「フレーズ感」をどう考えていますか?

もう少し具体的に訪ねるならば「ブレス」をどうしていますか??

この曲は、時々ブレス記号「v」が出てきます。

この、ブレス記号=息継ぎ と単純につなげてしまうのは、要注意!です。

実は、このブレス記号「v」、バイオリンなどの弦楽器の楽譜にも書いてあることがあります。バイオリンは、息を使って音を出しているわけではないので「息継ぎ」と捉えると、ちょっとおかしいですよね。

ブレス記号というのは、もう少し広く捉えると「フレーズの区切り」を表すもの。

「息継ぎをしなさい」ではなく、
「フレーズを区切ってね」という、「音楽的な呼吸」と捉えてみてください。

で、よく見てみると、サビ「Let’s search」と始まる前にブレス記号が書いてあります。ここを、サビに向けてしっかり息継ぎをしましょう、という事になってしまうと、サビ前の語尾の音の長さ(音価)が、足りなくなってしまいます。

「さがしにゆこ

「このひろいせかい

が、プツっととぎれてしまい、逆にそれがアクセントっぽくなってしまうという事態になりがちです。

語尾は語尾として丁寧に収めつつ、サビのフレーズの頭である「Let’s」を、しっかりと歌う、そのためにきちんとフレーズを区切って歌いましょう!という記号です。

では、息継ぎはどこですれば良いのかというと…

正解は、カンニングブレスをしよう!ということになるでしょうが、そもそも、大人数で歌う合唱団が、みんな同じところで息継ぎをする必要は全くなくて、少しずつ別々のところで分担して息継ぎをすれば、結果的に合唱団全体としては、ものすごく長いフレーズも途切れることなく表現できる、ということになるのですが、これは少し練習が必要かもしれません。

ともあれ、ぜひ、この

①ことばの扱い

➁フレーズの扱い

に気を付けつつ、細かく指示された表現記号を読み解いて、豊かな表現を作り上げてみましょう!

ABOUT ME
記事URLをコピーしました